「ポケットハウス」は、スチール製のコンテナをリサイクルして生まれた住宅です。小さな幅による閉塞感を解消するため、コンテナの側面壁は取り払われ、ガラスのドアが設置されました。これにより、自然光と風が室内に取り込まれ、美しい庭園の眺望が楽しめるようになりました。また、床、壁、天井全てに木材を使用することで、空間の一体感を生み出しています。
この家の建設は、廃棄物を生み出さず、迅速に行われました。コンテナの基礎となる土木工事だけが必要で、その他はインストール作業だけで済むためです。このようなドライコンストラクションは、将来的な移動を考慮した最良の方法と言えます。全工程はわずか10日間で完了しました。
「ポケットハウス」の設計にあたっては、コンテナを住宅に使用する際の重要なポイントが考慮されました。それは、移動時のダメージを防ぐために、どのようなコーティングを選ぶかということです。また、快適な生活を実現するためには、適切な音響と熱の処理が必要となります。
このプロジェクトの最大の課題は、小さなスペースとの関係性でした。空間比率の完全な支配が求められ、クライアントの要望に応えるためには、ベッドルーム、バスルーム、リビングルーム、ダイニングルーム、キッチンといった空間を全て確保する必要がありました。家具はこのコンセプトを満たすように慎重に研究され、設計されました。
「ポケットハウス」は、太陽エネルギーを利用し、ドライコンストラクションにより廃棄物を最小限に抑え、サーモアコースティック処理によりエアコンを不要とし、リサイクル素材を使用したコーティングと家具を採用することで、持続可能性の原則に基づいた設計となっています。
このデザインは2016年にA'インテリアスペース、リテール&エキシビジョンデザイン賞のゴールデン賞を受賞しました。この賞は、デザイナーの才能と知恵を反映した驚くべき、優れた、トレンドを作る作品に授与されます。それらは芸術、科学、デザイン、技術を進化させ、その顕著な優れた性能と、望ましい特性により世界に大きな影響を与えるものです。
プロジェクトデザイナー: Cristina Menezes
画像クレジット: Image #1: Photographer Jomar Bragança
Image #2: Photographer Jomar Bragança
Image #3: Photographer Jomar Bragança
Image #4: Photographer Jomar Bragança
Image #5: Photographer Jomar Bragança
プロジェクトチームのメンバー: Architect: Cristina Menezes
Collaborator Architect: Laís Laine
Collaborator Architect: Roberta Antunes
Collaborator Architect: Rani Melo
Secretary: Jackie Kelly
プロジェクト名: Pocket House
プロジェクトのクライアント: Cristina Menezes